「昨夜の夢、なんだったんだろう？」「夢に元カレが出てきた…何か意味があるのかな？」そんな風に、夢に意味を求めたくなることは誰にでもあるはずです。現代でも多くの人が、夢占いや夢診断の本・サイトを利用して、自分の無意識を読み解こうとします。
ですが一方で、「夢占いは信じない方がいい」「夢診断は危険」などの声もあります。果たして夢診断や夢占いは、心の健康にとって良いものなのでしょうか？それとも逆効果になることもあるのでしょうか？
この記事では、夢診断と心の健康との関係に注目し、健やかな心を保つための“健全な夢との向き合い方”をご紹介します。
夢診断・夢占いとは？
まず、「夢診断」や「夢占い」とは何かを整理しておきましょう。
夢占い：シンボル解釈による意味づけ
夢占いは、夢に出てきた象徴（シンボル）を使って、未来や運勢、心理状態を占うものです。たとえば、「蛇の夢は金運アップ」「飛ぶ夢は自由への願望」など、シンボルと意味を対応させて解釈する形式が多く見られます。
これは長い歴史を持ち、古代エジプトやギリシャ時代にも行われていたことがわかっています。近代でも「夢判断」の著者であるフロイトや、「夢分析」で知られるユングなど、心理学者たちも夢に注目してきました。
夢診断：心の声を知るための分析
一方で夢診断は、より心理学的な観点から夢を分析するものです。夢は心の深層、つまり無意識のメッセージと考え、その夢を丁寧に読み解くことで、自分のストレスや悩み、願望に気づくきっかけとする方法です。
このように、「夢占い」はエンタメ性が強く、「夢診断」は自己理解・心理ケアとしての側面が強いと言えるでしょう。
夢占いを“やめたほうがいい”と言われる理由
夢占いは楽しく、手軽に自分の心理を探る手段ですが、一部では「やめた方がいい」とする意見もあります。そこには以下のような理由があります。
根拠のない解釈に振り回される
夢占いで「死ぬ夢＝不吉」などと書かれていた場合、何の根拠もないのに不安になってしまう人もいます。本来、夢はその人の背景や状況によって意味がまったく変わるもので、一律の解釈はできません。こうした曖昧な情報に振り回されることで、かえってストレスが増える場合もあるのです。
現実逃避や依存のきっかけになる
夢占いに頼りすぎると、自分で決断する力が弱まり「夢がこう言っているから」という他人任せな考えに偏ってしまうことがあります。ときには現実と向き合うことを避け、夢に逃げ込むような心理状態になる人もいます。
心の健康を保つためには、現実とのバランス感覚が非常に大切です。
心の健康を守る「健全な夢診断」とは？
では、夢とどう向き合えば、心の健康にプラスになるのでしょうか？それには“夢を自己理解のツール”として使う、健全な夢診断の姿勢が欠かせません。以下のポイントを参考にしてください。
一般的な意味より「自分にとっての意味」を重視する
同じ「追いかけられる夢」でも、それが職場の上司なのか見知らぬ人なのか、自分がどう感じたのかで意味は大きく変わります。夢の解釈において最も大切なのは「夢の中での感情」です。
夢はあなた自身の心が作り出した世界。だからこそ、一般的な解釈よりも「自分にとってどんな意味を持つのか」を考えることが大切です。
不安な夢ほど“メッセージ”ととらえる
怖い夢、気になる夢を見たときこそ、それは「自分の中に未消化の感情がある」サインかもしれません。夢は、普段見ないふりをしている感情を映し出してくれる鏡のようなもの。
たとえば「歯が抜ける夢」は、ストレスや不安の象徴とも言われますが、「最近無理していないかな？」と自分を振り返るヒントになるのです。
自分だけの夢ノートをつけてみる
夢の記録を毎日つけることで、自分の心理状態の変化やストレスの兆しに気づくことができます。夢日記は、自己理解を深める立派なツールです。
ポイントは、「どんな夢だったか」「どんな気持ちだったか」「最近何があったか」を簡単に書き留めること。数日後に読み返すと、自分の内面の変化に気づくことができます。
まとめ：夢と上手につき合うために
夢は、心の奥底にある感情や記憶が自由に形を変えて現れる世界です。その意味を正しく受け取ることができれば、夢は自己理解の助けとなり、心の健康を保つ支えになります。
夢占いのような一律の意味に頼りすぎず、自分の夢に耳を傾け、対話する姿勢が大切です。
夢診断は「やめたほうがいい」のではなく、「正しく使う」ことが大切なのです。
日々の生活の中で、自分自身と向き合うためのツールとして、夢をもっと活かしてみませんか？
